怖いと思うんだけど

 
洞爺湖サミットが開催されるにあたり、「エコ」とか「環境」とかをキーワードにしたニュースが、いくつか報道されていた。
 開催前に視たなかで、いまだに心にひっかかってるのが「エコ車輌」のニュースだ。
 サミットに際し、国内各自動車メーカーが、水素を燃料にした車だの、電気自動車だのを提供しているので、それらが一堂に会していた。
 もちろん、我らがMAZDA水素ロータリー搭載車もあって、すごく嬉しかったんだけど……
 なんか案内のおにいさんが「水素ロータリー」の仕組みを理解してない感じで、ちょっと悲しかった。
「水素で電気を起こして走り、排気ガスは出なくて水だけが出ます」って……まぁ、端的に言っちゃえば、そうなのかもしれないけどさ。
 びみょーに間違ってる気がするのは、私の気のせいですか?
 しかし、それより何より怖かったことがあって。
 どの車もガソリンエンジンじゃないせいか、発進時に音がしないんだ、これが。
 本当に「いきなり」って感じで走り出す。
 それが私には、むちゃくちゃ怖ろしいことに思えた。
 おそらく、エンジンかけてる車の近くにいたら感じるはずの、オイル等が焼けるニオイ、エンジンと共鳴する空気の震えなんかも感じることはできないだろう。
 あの静けさだもの、ニオイや震動を発しているとは到底、思えない。
 現行のガソリン車でも、高級な車種になるとほとんど音を立てずに走ってるし、アイドリング状態でも静かすぎるほど静かだから、この先、クルマってのは「静かな乗り物」になるのかもしれないけど、それにしても……
 普通に歩いてる人間にとって凶器となり得る危険物なんだから、動きだすときとか、近づくときとか、ある程度は注意を促す仕様にするべきじゃないだろうか。
 けっして、燃費が良いのが羨ましいわけじゃないんだからね?
 いくら私の愛車が、リッター4kmしか走んなくても、それで逆恨みしてんじゃないからね?
 ほんとだよ。