リンゴな電話

 
 ちまたでは「iPhone」の発売で大騒ぎだったみたいで。
 発売前夜のニュース番組や、当日朝のワイドショー番組などでは、けっこう大きく報道されてた。
 でも、報道してるレポーターとかアナウンサーとかは、なんか「わかってない」ふうだったなぁ、というのが正直な感想。
 
 前夜の、とあるニュース番組では、iPhone購入を希望して行列してる人たちに、「現在使用している携帯のキャリア」を尋いてた。
 iPhoneが使えるソフトバンクではなく、DoCoMoauのユーザーもいますよ、という。
 そして、iPhone購入後の携帯キャリアはどうするか、ということも尋いてた。
 その結果を見て、女性レポーターが言ったよ。
 
「かなりの方がソフトバンクに乗り換える予定だそうですが、一部の方は現在の携帯はそのままで、2台目としてiPhoneを購入されるんですね。
 それだけの魅力がある、ということなんでしょう」
 
 これを「いかにも意外な事実だ」と言わんばかりの口調と表情で言ったもんだ。
 いや、金銭的事情が許せば、そうしたいって人は多いんじゃないかと思うよ。
 それぐらいは想像がつくんだけど、私でも。
 だって……言っちゃ何だけど、iPhoneって「オモチャ」な感じだもの(苦笑)
 私が、2台目の携帯(WILLCOMW-ZERO3)を電話として使う気がないのと同じで、iPhoneに電話機能を求めてる人って、そんなに多いんだろうか、と素で思う。
 そら、私はもともとリンゴが好きじゃないし、偏見も入ってるかもしれないけど、やっぱり、iPhoneって「携帯電話」として使うツールじゃないような気がする。
 あと、その女性レポーターが、すごく綺麗に磨き上げたネイルでiPhoneのタッチスクリーンを触って上下させてるのを見て、
「そんなことしたら、すぐにスクリーンがダメになっちゃうんじゃね?」
 と、自分のモノでもないし、好きなモノでもないのに、ドキドキしちゃったりもした。
 レポーターが、あまりに「モノが判ってないふう」なのが気になったせいだろうな、きっと。
 
 発売当日朝のワイドショーで見かけた男性レポーターも似たようなものだった。
iPhoneの何がそんなに魅力なんでしょう?」
 とスタジオから尋かれ、すでに実機を手にしているにもかかわらず、
iPodみたいに使えるんですよ」
 としか答えられないレポーター。
 
 もうすこし「魅力」の意味を勉強しとけ
 
 あまりのアホさかげんに、さすがに眩暈がした。
 
 今回の大騒ぎで唯一、私に得るところがあったとしたら、『小鳥ピヨピヨ』の「いちる」さんをテレビで視られたことかな♪
 なんか、iPhoneの「かぶり物」した気合いの入った人がいるなぁ……と思ってたら、それが「いちる」さんだった。
 かぶり物を見た孫社長に「すごいねー」って言われて、握手してらした。
 う〜む、世の中どこに拾いものがあるか、判らないなぁ(笑)