あまり気にしないほうなんだけど

 
 誰々の「二世」とか「ジュニア」とかって肩書には、あまり興味がない。
 どう考えてもカリスマ性がないだろうっていう、ぽっと出の政治家がいきなり議員さんに当選したりなんかすると、
「地盤や看板を受け継いだ坊ちゃんか?」
 ぐらいは思うけれど、最初から、
「誰それの息子が立候補したんだねぇ」
 とは思わない。
「誰それって誰?」のレベルという話もあるが(汗)
 小説家だの評論家だの、芸能人だのに関しても、その感覚は同じで。
 DAIGOが、故・竹下登氏の孫っていうのは、ちょっと「へぇ〜」と思ったし、あれだけキャラクターが違ってると「売り」にもなるだろうなぁ、と思ったけど、最近ではそれぐらい。
 直木賞受賞者の父親も作家だったって言われても「そうなの?」って感じだし、わりに好きで、こだわってるはずの声優さんたちにしても、親子関係、姻戚関係まで積極的にチェックしようとは思わない。
 だから、そもそも(他人の)「血縁関係」ってものに、あまり興味がないタチなんだろうな、と思う。
 
 そんな私が珍しく、
「へぇ〜、この人の娘さんと、この人の息子さんが結婚したんだ」
 と感心、というか、感じ入ったニュースがあった。
週刊新潮』に「結婚」という欄がある。
 文字どおり、華燭の典を挙げたカップルを紹介する欄なんだけど、たまに「ふ〜ん」って思う人たちが載ってて面白い。
 私が三味線やってたときの兄弟子が地元の踊りの家元のお嬢さんと結婚されたときも、この欄で紹介されてて、思わぬところで近況が知れたり、なんてこともあった。
 今週発売の「9月4日号」では、天野タケルさん(画家・彫刻家)と、一二三十一さん(ひとみ・とい。シンガーソングライター)が結婚したことが紹介されていた。
 どちらの方の名前も、実のところ、存じあげなかった。
 記事を読んで、天野さんが堀江慶監督(ガオイエローだ)の映画で美術を担当していたこと、一二三さんが『リロイ&スティッチ』の日本語版主題歌を担当していたことを知り、それぞれに次代を担う世代の人たちなのだな、と思ったぐらい。
 でも、それぞれの親御さんのことが紹介されてるのを読んで、思わず目がまん丸くなった。
 天野さんのお父上は、かの天野嘉孝氏だそうだ。
 子どものころから、あのセンスに触れて暮らしてたら、そりゃ本人もアーティストになるだろう。
 一二三さんのお父上は、スープカレー創始者にして、専門店「マジックスパイス」の経営者・下村泰山氏。
 お父上に連れられて小さいころに世界各地を見て回ったり、お店ができてからは店内に流れるトロピカルな曲に包まれて生活したりするうちに、音楽家としての素地ができたのだとか。
 お二人とも、こういう職業に就いた理由がストンと納得できる話ではあった。
 
 それにしても、天野ワールドとマジスパの出会いって……
 なんかスゴいモノができあがるような気がするのは、私の気のせいだろうか……?(笑)