御冥福をお祈りいたします

 
 過日、ジャーナリスト・筑紫哲也が亡くなられた。
 日に3箱を喫う愛煙家であった氏が、肺ガンを患ったと知ったときには、
「さもありなん……」
 と思ったけれど、それによって、筑紫氏が喫煙を後悔してるなんてことは毛ほどもないだろう、と(根拠もなく)信じていた。
 でも、ご家族にとっては、そうじゃなかったんだろうね。
 氏の棺には、あれほど愛していた煙草は入れられてなかったそうだ。
 なんかね。
 ちょっと寂しかったよ。
 
 私は、うちの相方が病気になるとすれば、肺ガンか胃ガンだろうと踏んでる。
 もしも相方が肺ガンを患って、あの世へ逝っちまったとして、そのときにまだ私が生きていたとしたら、絶対に棺に煙草を放りこんでると思う。
 つか、花は要らないから、煙草を入れとけよって感じ?
 相方は、そこまで覚悟……というと大仰だけれど、ちゃんと解ってて愛煙家やってるわけだし、私も、その女房をやってるわけだし。
 もちろん、肺ガンになった時点で、相方が今までの喫煙家生活を後悔するようなら、その限りじゃないけども……
 まず後悔しないんじゃないか、と踏んでるんでね。
 
 愛煙家ならば、煙草の煙に包まれて逝きたいと思うのではないかな。
 そんなふうに感じてしまったのだった。