気にしない時代なのかなぁ

 
 年明け早々の先週、友人の父君が亡くなられた。
 しばらく闘病生活をしておられて、それでも何とか年を越せたし……と御家族が安心したところで、眠るように息を引き取られたそうだ。
 その友人とは仲良くしてもらっているので、お見送りに行きたいと思いはしたものの、どうしても都合がつかず、別の友人に頼んで御霊前を託けることにした。
 財布のなかの千円札が不足していたため、郵便局へ行ってATMからお金を引き出したところ、お年玉の余波なのか、すべてが新札だった。
 これではいけない、と窓口へ行き、
「すみません、弔事に使うので、使ってあるお札に替えてもらえませんか?」
 と声をかけた。
 窓口にいたのは若い女性の局員さんだったが、
「両替ですか?」
 と問いかえしてきた。
 
私 「いえ、弔事──御霊前なので、お札を替えていただきたいのですが」
女性「1万円とかにするんですか?」
私 「いえ、そうではなくて、ATMで引き出したのは新札なので……」
女性「はぁ?」
 
 ヤックデカルチャー(爆)
 
 これ以上、どう説明したら良いものか、私も咄嗟には判断できず、目をぱちくりさせてたら、隣の窓口にいた女性(私と同じぐらいの年ごろ)が、
「これに替えてさしあげて」
 と、折り目のあるお札が束ねてある場所を指さしてくれた。
 若い局員さん、首をひねりながら私の千円札を数え、同じ数の千円札をそこから抜いて渡してくれたんだけど、最後まで、自分が何のために、こんなことをしているのか判らない、という風情だった。
 
 いまどきは、気にしないんだろうか。
 私よりも年上の人間は、
「弔事に新札を持っていくのは、あらかじめ予測していたようで失礼にあたるから、使い古したお札を持っていくように」
 と躾けられて育ってるものじゃないかな、と思うんだけど、若い世代はそうでもないのかな。
 何にしても、ちょいとジェネレーションギャップを感じた出来事ではあった。