諸手を挙げて大賛成
少々前の話──。
4月9日(金)付の朝日新聞朝刊に、ものすごくうなずける意見が載っていた。
漫画家の竹宮惠子氏が、マンガにおける性描写の規制に関する都条例改正について述べられた意見だ。
竹宮氏と云えば、1976年に性愛をテーマにしたマンガの原典とも云うべき『風と木の詩(うた)』を発表された、この分野のさきがけとも云えるかた。
私も、高校に上がるか上がらないかのころに、このマンガに触れて、それまで知らなかった世界(大袈裟だけど)を知る機会を得た記憶がある。
そして、その機会を得られたことは、今でも良かったと思ってる。
だからこそ、竹宮氏のこの意見には、大きくうなずかされた。
「風と木の詩」は、お母さんが「これは、あなたにはまだ早すぎるから読んじゃだめよ」と軽く釘を刺しつつ、手に届くところに置いておく。娘さんは背伸びをしている自覚を持って、こっそりと読む、そういう伝わりかたが理想です。
2010.4.9. 朝日新聞「オピニオン」欄より引用
描き手や出版社と云った、マンガを送り出す側が、この認識をきちんと持っていれば、法によって表現を規制するのはナンセンスなことでしかない。
ただ、現在女性向けと呼ばれるジャンル(いわゆる「BL」とかね)で、この認識のない送り手が多くなっていることは否めないとも思う。
そのへんの兼ね合いは難しいと思うけれど、私は全面的に竹宮氏の考えかたに賛成だ。
もっとも、自分の娘にすら「BL」と「耽美」の違いを説明しきれない私なので、第三者に対して、竹宮氏の意見を軸に説得するなんてことは、なかなかできないだろう。
それでも、竹宮氏という送り手側の代表とも云えるかたが、そうした考えを持って執筆活動をしている、ということは、ちゃんと心に刻んでおかねば……と思った。
……しかし……
「背伸びの自覚」も「こっそり」もなく、堂々と腐ってるウチの娘は、どうやって扱うべきなんだろう……?(汗)