１箱１０００円

　
　１箱１０００円にしようがどうしようが、煙草のみは煙草を買うだろう。
　煙草のみが馬鹿を貫くってだけのことなんだから、それについて、どうこう言うつもりはない。
　うちの相方が、あくまでも煙草を喫いつづけるって言うんなら、切り詰められるところは切り詰めて喫えるように協力もするがな。
　煙草のみを相方に持ったんだから、それは仕方ないことだと思ってるし。
　
　でもね。
「１箱１０００円にする」にしたって、その姿勢の軟弱さが気に入らないんだな。
　値上げしたら喫煙量が減るだろう、そうしたら、国民の健康状態が良くなるだろう、な〜んて御為ごかしと同じ口で、喫煙者が何パーセント減っても税収は何パーセント増える、なんてことを平気で言うんだよ。
　何なのよ、その根性のなさは。
　国民の健康状態を良くしたい、何が何でも良くしたい、と思うんだったら、きっちりした統計とって、医学的データを揃えて、いっそのこと、煙草すべてを禁止しちまえよ。
　でも、それはできないんだよね。　
　タバコ税の収入が、まったく無くなっちまったら困るから。
「タバコが身体に悪い」ってことを、統計とって医学的に証明できてないから。
　証明できないから禁止はできない。
　でも、とりあえず、国民のためを思ってるんだよ〜ん、という姿勢はアピールしたい。
　国民のためを思ってやってんだから、その思いやりが通じない連中からは税金を取ってもいいよね。
　言うこと聞かないんだから、たくさん取ってもいいよね。
　
　……そんな感じだろうか。　
　ものすごい二枚舌だと感じるのは、私だけ？
　うまく説明はできないんだけど、国民のためを思ってるの何のって言う同じ口で、税収が増えてラッキーって言うことに、何の疑問も感じないの？
　１箱１０００円に値上げするとはイイ考えだね、と言う嫌煙家の人たちは、その卑怯くさい理屈について、何とも思わないの？
　ものすごく不思議だよ、私は。
　
　酒のみに甘く、煙草のみに厳しい国。
　それは、一つの文化を認めながら、別の文化を踏みにじる国、と言い換えることもできるのではないかと思う。
　
　つぅかさ。
　そういう態度とられると、なんか無性に腹が立ってくんだよね。
　喘息も出ちゃったし、ずいぶん長いこと、煙草はやめてたけど、また喫おうかとさえ思ってる。
　だって、この馬鹿馬鹿しい理論に対抗するには、身体を張って「愛煙家」たり得るしかないような気がするもん。
　なにしろ、私ゃ、いつだって煙草をやめられる喫煙者だから。
　お国に、わざわざ健康を心配してもらうほどのことはないのさ。
　ざまぁ見ろ♪（←誰に言ってんだ、いったい……）