恐怖のコンボ
この土〜月曜日、世間様は三連休だった。
連休とか盆正月とかは、私にとって恐怖の日だ。
大都市のわりに車優先社会の我が地元では、休みともなると「サンデードライバー」が出没する。
それも生半可なヤツじゃない。
レーンチェンジにウィンカー出さないなんざ、日常茶飯事。
2本のレーンにまたがって走るヤツとか、直進車が来てるかを確認もせず、前の車について右左折するヤツとか。
そりゃあもぉ、てんこ盛りに出てくるので、休日には出来るかぎり、車で出たくないとすら思ってる。
年末年始で路面が凍るような寒い日ともなれば、家族と水盃かわしてからでないと、車じゃ出られないんじゃないか、と真剣に思ってしまうぐらいのもんだ。
そんな訳だから、この三連休も恐怖の連続だった。
ことに最終日の月曜日──振替休日のこの日は、名古屋市内を走る「シティマラソン」が行なわれ、各所で交通規制がかかったもんだから、さあ大変。
咄嗟の判断なぞアテにできないサンデードライバーの群れが、交通規制によって、咄嗟の進路変更を余儀なくされ、自分の行きたいほうへと周囲の状況もかえりみずに流れていくんだから、そりゃ大騒ぎにもなるだろう。
うちの近所は交通規制区域から微妙に外れてはいるものの、逆に言うと、規制をかけられた車輌が流れこんでくる区域になるわけで、冗談ヌキで生命の危険を味わうハメになった。
近所の店に自転車で出かけた私は、ちょいと大きめの交差点(かりに「B交差点」としよう)を南から北へと渡ろうとしてた。
B交差点には、警備会社の人が一人だけ立ってた。
B交差点の南にあるA交差点が交通規制の始点になってて、そこから南へは行けなくなっている旨を案内してたわけだ。
ドライバーのほうは、A交差点よりも南の何処かへ行きたいわけだが、そのためには、B交差点で右か左か、どっちかへ曲がって迂回するしかないってことになる。
警備会社の人は交差点の中央ちかくに立ってたから、直進してきた連中のほとんどは、もはや左折できる状況じゃない。
交差点の真ん中ぐらいまで来ちゃってるわけだからね。
なので、右折しようとしてくるのは仕方がないとしても、だ。
何故に前方確認もしないまま、次から次へと横断歩道に突っ込んでくるんだ、てめぇらは(怒)
車輌の直進信号はもちろんのこと、横断歩道の歩行者用信号も「青」なんだよ、まだ!
よちよち歩きの子どもが、一所懸命に手を挙げて渡ってたりするんだよ!
そこへスピードも落とさずに突っ込んでくるってのは、どういう了見だ一体。
あまりの状況に危機感を覚え、自転車のベルを鳴らして、渡ってる子どもと先頭の車両の間に突っ込んでいったら、ようやくそこで車の流れが止まったね。
ベビーカーを押してるおかあさんが、私に頭を下げて、よちよち歩きの子どもの手を引いて走っていった。
走らなくていいんだよ、おかあさん。
歩行者信号は「青」なんだから。
あなたと子どもは、ゆっくりと安全な速度で渡る権利があるんだよ!
先頭で急ブレーキかけた車のドライバー(見事なオバハン)が、こっちを睨んでたんで、じろっと睨みかえして、
「危ないだろうが!」
と怒鳴ってやったら、なんかブツブツ言ってたみたいだけど、知ったこっちゃない。
止まらなきゃいけないのは、てめぇのほうだ。
そのあとも、何も確認しないまま、どんどん右折車両が流れこんでくる。
横断歩道も何もあったもんじゃない危険度の高さだ。
これは放置もできんだろう……と、トシくって口うるさくなったMayuraさんは思ったね。
用事を済ませてから、今度は南のA交差点に行ってみた。
ここから規制が始まるんだから多分いるだろう、と思ったとおり、パトカーが停まってて警察官も何人か立っている。
B交差点の状況を伝えて、人を増やすなり何なりしてもらおうと思ったんだけど、警察官は話すら聞いてくれない。
自分たちは、この交差点の規制任務で精いっぱいですから〜ってな感じだ。
その代わり、委嘱されて警察官の補助に入っている警備会社の人が話を聞いてくれた。
規制時間帯が残り15分ほどなので、今から補充の人員を回してもらうのは難しいと思う、申し訳ない、と言ってくれたうえ、3月の「国際マラソン」のとき、また同じ道を規制することになるので、そのときにはB交差点が危険にならないように今日の問題点として会社へ報告しておくから、と約束してくれた。
ありがたい話だ。
それにしても、サンデードライバーと交通規制っていうのは、思いのほか、凶悪なコンボになるってことが判ったよ(汗)
自分も他人様に迷惑かけないように、走るときには気をつけないとな、うん……