初めて尋かれた

 
 政権交代が確実となってきた今回の衆院選、私も投票に行ってきた。
 投票所になってる小学校に着いたのが、午後4時ぐらいだっただろうか。
 校門の前に、某新聞の腕章をつけた人がいた。
 あれが出口調査の人かなぁ、暑いのに大変だなぁ……などと思いつつ、投票を済ませて出てきたら、驚いたことに、その人が声をかけてきた。
 やはり、思ったとおり、某新聞の出口調査のアンケートを採ってる人だそうだ。
 アンケート数が不足しているので、協力してくれないか、と言う。
 確かに、ある程度の数が揃わないと、正確な結果予測は出せないだろう。
 せっかくの機会なので、アンケートには協力してきた。
 女性で協力してくださる方は少ないんですよ〜、とは出口調査の人談。
 匿名とは云え、年代は申告するようになってるし、具体的に投票した立候補者や政党を尋かれるんだから、回答を躊躇する人も多いだろうな。
  
 しかし……毎回、選挙のたびに思うんだけど、この出口調査って、どれぐらいアテになるものなんだろう?
 実際、テレビの選挙速報番組などを視ていると、
出口調査の結果から──」
 などという前置きを付けて、開票率0%なのに当選確実が出てたりする。
 なんか信じられない結果なんだけど、そこで当確が付いた人は、まず間違いなく当選するんだから、信用できる調査方法ではあるんだろうな。
 でもさ。
 尋かれた人が、みんなヘソ曲がりで、みんなウソの回答をしてたら、どうなるんだ(笑)
 ま、そんなこと、現実的にあり得ないから、出口調査が信用されているのだろうけれど、基本的に性善説な調査方法だよなぁ、という気がする。
 地方によっては、開票率65%とかになっても、まだ当選と次点を競り合っていて結果が出ていないところもある。
 こっちのほうが「自然な状況」って感じがするんだけどね。
 出口調査による当確が出るか出ないかで、当の立候補者の事務所ですら一喜一憂してるんだから、今さら出口調査なしの選挙なんて考えられないのかもしれない。
 実際、自分の住んでる地域では、開票率が低いうちからバンバン当確が出てきてて、見事な民主王国になっていく様子を目の当たりにしてしまった。
 個人的に「いい人だな」と思っていた熟練の政治家が選挙に敗れて去っていく様子を見ていると、胸に迫るものがある。
 ほんとに政権交代が起きているんだなぁ……ということを、しみじみ感じさせられた結果ではあった。