よかった、と素直に思う

 
 のりピーが保釈された。
 湾岸署を出てくるところを待ち受けてたマスコミ連中の、ぶしつけ、かつ、更生を願ってるとは思えない質問の数々には、眉をひそめさせられたものの、署から出てきたのりピーの、気丈な笑みと真摯な(と見える)謝罪の姿勢は、私の胸に迫ってきた。
 これから記者会見があるらしいけど、もう見ないでおこうと思う。
 マスコミの人たちは、自分たちが望む答を彼女が口にするまで、くだらない質問を投げつけつづけるだろうし、それを受けねばならない彼女の姿を見るのは、悲しいことだから。
 たとえ、それが彼女の罪に対する報いであったとしても……だ。
 
 私は、彼女を信じたい。
 悪い影響を受けてしまった(としか思えない)夫とは離婚ってことになりそうだし、可愛い子どもがいるんだから、踏ん張る理由もあるんだし。
 湾岸署の前に待ってたファンが、
「おめでとう」
 と大書した横断幕を作ってたけど、その気持ち、わかる気がするなぁ。
 だって、彼女を迎える言葉って、それ以外に思いつかないから。
 クスリの後遺症とか、あるかもしれない。
 これからツラいこと、たくさんあるだろう。
 でも……おかえり、のりピー
 そして、がんばれ。