先見の明

 
 ニュース番組を視ていたら、なんか面白いことを言っていた。
 民間の消費活動を活発化するために、祝日を移動させて連休を作るとかって案があるそうだ。
 
(確実なニュースソースが知りたくて、いろいろ検索してみたけど、見つからない。
 検索のしかたがヘタなのかな(汗)
 ご存じの向きがあったら、教えていただければと思う)
 
 例を挙げると、8月の最後の週にお盆休みの連休を動かして、夏休みで家にいる子どもたちと家族の交流を図れるようにする、ということらしい。
 また、お盆の時季など、地方によって違う場合には、その地方に合わせて連休を作ったりするのも有効では、という話も出ていた。
 もちろん、今でも地方ごとに七夕まつりの日は違ったりするわけだから、習慣としてそうなっているものを政府の決定事項として施行したらどうか、という話なわけだ。
 
 その話を聞いたとき、
「どこかで聞いたような……?」
 と思ったんだけど、あとから思い出した。
 椎名誠が、週刊文春のエッセイで同じようなことを書いてらしたのだ。
「お正月の分割自由化」というタイトルで、日本全国みんなで忙しくならなくても、個人社会にも時差を持ち込んで「自由化」しては、という趣旨である。
 一見、とんでもない発想のように思えるが、これが結構うなずける部分もあるのだ。
 
 北海道は12月と1月が雪下ろしだから、お正月は10月にしてほしい、とか。
 中国・四国地方は、農閑期でもあり、寒くなりすぎない11月にお正月をする、とか。
 沖縄は2月にお正月。内地が寒い時期でもあり、正月観光客で賑わったりするだろう、とか。
 子どもたちが一番お得で、正月ガイド本(そういうものが発売されるだろう、と書いてある)を参考に、その時期お正月をやってる親戚を訪ね歩けば、半年ぐらいの間、毎月お年玉がもらえるかもしれない。
 
 このエッセイを読んだとき、膝を叩いて納得したうえ、腹を抱えて笑いころげたんだが、政府の人たち、このエッセイを読んで、8月の終わりにお盆休みをなんて思いついたんじゃなかろうか、という気がして仕方がない。
 だって、あまりにもタイムリーで、あまりにも同じような考え方なんだもん。
 さすがは椎名サン、妙な先見の明がおありだなぁ……と、つくづく感心してしまったのであった。