その人形は息づいていた

 
 人形作家(人形美術家、と云うらしい)・川本喜八郎が亡くなられました。
 享年85歳。
 
 私が氏の人形を知ったのは、NHKの三国志が最初でした。
 あまりの人形の美しさ、生きているかのような素晴らしさに感動し、LD−BOXが発売されたとき(まだDVDがない時代)、そのころの収入と比べたら破格の値段である二十数万円を投資して購入しました。
 もちろん、今でも家にありますし、そのほかにも、単独のLD作品を何枚か所有しています。
 
 一度だけ、氏の人形を間近で見る機会がありました。
 名古屋で「川本喜八郎展」が行なわれたときです。
 遣い手がいなくとも、そこに立っているだけなのに、やはり、氏の人形は生きているのだ──と、実感したことを憶えています。
 
 またひとつ、私にとっての星が流れました。
 御冥福をお祈りいたします。