結婚して10年以上も経ってるのに知らなかったこと

 
※お食事中のかたは、読むのをお控えください。
 今回の記事では、内容上、お下劣な言葉や表現を使用していることを、あらかじめ、おことわりしておきます。
 
 右手首をヒネった。
 いつ、どうして、何をやらかしたのかは判らないが、とにかく右手首をヒネってしまい、迂闊に動かすと痛みが走るため、湿布を貼って包帯で固定することにした。
 PCのマウスのトラックボールを転がす動作ひとつ取っても、痛みが走ってやりづらいぐらいだから、その他の日常的動作にも色々と支障が起きる。
 ペットボトルのフタが開けられないとか、細かい字が書けないとか、大きな洗い物(フライパンや炊飯器の釜)ができないとか、問題は多いんだけど、個人的な問題として困ったのが、トイレである。
 用を足したあと、ペーパーを使おうとすると、右手に巻いてる包帯が汚れてしまうような気がするんだよね。
 仕方ないから左手を使うんだけど、ふだん使い慣れてないから、なんだか拭いたあとでも落ち着かない。
 というわけで、用を足してトイレを出てきた私、のんびり煙草を喫ってた相方に向かって、こぼした。
 
私 「お上品な話じゃなくて悪いんだけどさ、右手がこの状態だと、トイレで不便だよね──拭くのに」
相方「……ごめん。俺、男だから、小便したあとで拭くことってないんだわ。
   だから、よく判んない」
 
 一瞬ずっこけかけた私だが、なんとか体勢を立てなおしたよ。
 
私 「いや、それでもさ。
   大きいほうをしたら、イヤでも拭くでしょう?
   左手だったら不便だろうなぁ、とか思わん?」
相方「……ごめん。俺、いつも左手で拭いてるから判んない」
私 「あんた、右利きじゃなかったの?!」
相方「トイレは左なんだなぁ、これが。
   実家が古かったから、和式のぼっとんトイレでさ。
   右手で横の棒にさばってないと(=つかまってないと。広島弁)、あぶなくてねぇ。
   自然と、拭くのは左手になったんだわ。
   だから、判んない。ごめんね」
私 「そんなことで謝られたって、どう反応したらいいのか判らんわっ!(怒)
 
 八つ当たりされた相方こそ、いい災難ではあるが、なるほど、相方は右手を骨折してもトイレでは困らないのか──と、新たに妙な納得をした一件ではあった。
 
 ちなみに、現在の相方の実家は、普通に洋式トイレである。
 小学校のころには、新築して洋式になったらしいから、棒につかまってた時期のほうが短いはずなんだけど……これが「三つ子の魂百まで」というヤツか──と、これまた妙な納得をする私なのであった。