いろいろと感心

 
 チリの鉱山落盤事故で地下に閉じ込められていた人たちの救助が成功したとのことで、本当に良かったと思う。
 救助のために、最初に地下へ降りた救助隊員のかたも無事に地上へ戻られたそうだ。
 今回の事故では、いろいろと自分が思ってもみなかった事柄を知らされた。
 全員が救助された今だからこそ、呑気に言えることだけれど、事故対応の最初のところから感心させられたのだ。
 まず、地下に閉じ込められたという状況が、暗くて狭く、圧迫感のある潜水艦内での状況と同じになるため、米海軍のエキスパートによって、閉じ込められている作業員たちに、どのように対応したら良いのかを指示してもらった、というのに驚いた。
 なるほど、狭い場所に閉じ込められているんだから、潜水艦の内部と同じ状況になるかもしれない。
 でも、私には想像もできないことだったので、とにかく感心するしかなかった。
 また、光の明暗を調節して、地下にありながら昼夜のある状態を作りだし、作業員の体調を保つ、というのも(当たり前と云えば、当たり前なんだけど)驚いた。
 今回の事故では、こうしたアクシデントに慣れているリーダー格の作業員のかたが、皆の信頼を受け、きちんと事態を管理して、地上と地下とで連携することで、全員が助けられたのだと思う。
 救出の際も、私はてっきり、年を取って弱っているかたから地上へ上げられると思っていたんだけど、まず最初は、若くて元気で、なおかつ、鉱山経験豊富な作業員のかたが上げられたんだそうだ。
 要するに、カプセルで一人づつ救出するにあたり、周囲の状況がどんなふうに変化していくかを、正確に地上に伝えられる人材を最初に上げて、以降の作業を、より安全に円滑にしようという配慮なのだと思う。
 なかなか起きる事故ではないだけに、初めての作業になる救助工程が多くあったんだろう。
 そして、結果的に全員が無事に救助された
 すばらしいことだと思う。
 本当に、しみじみ感心させられた。
 
 私はキリスト教徒ではないけれど、助けられた皆さまに祝福あれ──と心より、祈ります。