なんか引っかかる

 
 私が住む名古屋市は、2月6日にトリプル選挙を控えている。
 名古屋市長選、愛知県知事選、そして、名古屋市議会の解散投票が同時に行なわれるのだ。
 おかげで、各陣営の選挙カーが毎日かまびすしい。
 市長選、知事選に立候補している立候補者の選挙カーはもちろんのこと、市長選の各候補者を推している団体が出している選挙カーまで走りまわってるんだから、文字どおり、四六時中なんらかの主張が聞こえてくることになる。
 ちなみに、直接、立候補者を擁立してない団体が何を主張しながら走りまわってるかというと、自分たちが推している市長選の候補者が、
「市議会解散に賛成か、反対か」
 ということを知らせているらしいんである。
「市長選に立候補しております○○を推している△△の会です。
 ○○は市議会解散に『反対』する立場から、市民の皆さまの声に応えようとしております。
 市議会解散ということになれば、あらためて市議会議員選挙を行なうため、3億2千万の税金が使われることになります。
 市民の皆さまの税金を無駄に使うことは許されません。
 市議会解散の投票用紙には『反対』と書きましょう!
 
 ……何なの、その上から目線
 私ゃ、「△△の会」なんて団体、知らないっつーの。
 知らない相手から、いきなり「『反対』と書きましょう!」と指示されて、「はい、そうですか」とうなずくほど、人間が素直に出来てないんである。
 まして、バカの一つ覚えみたいに「税金が無駄遣いされるから」って理由を述べてるけど、それ以外の理由はないわけ?
 活きた税金の使いかたをしてくれるんなら、私はそれで良いと思ってるし、そのために市議会解散が必要なら、それはそれで仕方がないと思ってる。
 べつに、今の段階では、市議会解散に賛成とも反対とも決めてない。
 その税金の問題もふくめ、市議会が解散したとき、どれだけの影響が出てくるか、きちんとした情報を得ていないからだ。
 そんな状態のところへ、刷りこみみたいに、
「カネがもったいないから、解散に反対しろ」
 と繰りかえされると、何となく「むかっ」としてくるんである。
 
 もうちょっと、そのあたりを工夫できないのかなぁ。
 そりゃ、走りながら訴えてく選挙カーだから、伝えられる情報量には限度があるだろうけれど、ならば余計に、反感を買いかねない情報発信は控えたほうが良いんじゃないかと思う。
 世の中には「選挙のプロ」というブレーン的存在がいると聞く。
 そういう人たちが、もっと工夫して、うまいこと情報を発信し、市民が自分自身で決定できるように手助けしてくれたらなぁ、と思う。
 ──もちろん、自分が所属する陣営に有利な方向へ決定するような手助けも含めて、だ。
 判断するのは投票する人本人だから、いくら美味しいことを聞かされても、そっちへは投票しないよって思う人、そういうことなら、こっちに投票しようって思う人、色々いて当たり前なのだ。
 ただ、私の場合は、上から目線で、
「こっちに投票しましょう!」
 と言われたら、そっちには投票したくなくなる。
 あと一週間、この騒ぎは続くわけだけれど、私が納得できるような意見を聞かせてくれるような陣営はあるんだろうか?
 期待半分、それは無いねと思うのが半分。
 さて、誰に、どっちに、投票しようかなぁ……