印象って大事だよね
先日の住民投票で解散が決定したため、現在、名古屋市は市議選選挙活動の真っ最中である。
名古屋の市議会議員は行政区単位(中区とか北区とか)で選出されるので、どの議員も「地域密着型」で、自分のお膝元を大切にしている。
子どもらが通う小学校にも議員のお子さんがいて、それを縁に保護者の支持を得るかわりに、地区に問題が起きれば、いろいろと相談にのってくれるわけだ。
ただ、選挙ともなると、今度は保護者側が議員の相談──というか、要請に応える側になる。
人海戦術で選挙区内の有権者に電話をかけていく係など、ほとんどが学区の小学校のおかあさんたちだと云っても過言ではない。
当然、プロのオペレーターではないから、マニュアルに沿った掛けかたしかできないことになり、場合によっては、電話が受けた側がヘソを曲げてしまうこともある。
そのあたりも織りこみ済みで、なおかつ、保護者の手をも借りたいというのが議員の本音、ということなんだろう。
このへんの学区では、二人の議員候補が、しのぎを削っている。
だから、我が家にも二つの選挙事務所から電話が掛かってくるのだが、その電話を受けた感触で判断するかぎり、息子の学校と縁の深い人のほうに軍配が上がりそうだ。
というのも、その人の選挙事務所からの電話は、
「○日に、どこそこで演説会をしますので、何かのついででもありましたら、お立ち寄りください」
とか、
「今日、選挙区内の御家庭に、先の任期にこなしてきた仕事をまとめたものを入れさせていただきました。
お目を通していただけると嬉しいです」
とか云う感じで、こちらの興味を引くような案内をしてくれるのである。
ところが、もう片方の選挙事務所からの電話は、
「風も寒いなか、本人も頑張っておりますので、どうぞ投票をよろしくお願いいたします」
と言うだけなんだな、これが。
頑張ってるだけで市議会議員になれるんだったら、そんな楽な話はないだろう。
自分の経験や主張を有権者に積極的に伝えようとしている人と、寒いけど頑張りますとしか伝えてこない人とだったら、前者に投票したくなるのが人情というものだ。
まぁ、前者の主張や政策が、あまりに突飛すぎたりすれば、また考えるかもしれないけど、とりあえず、わりとまともな事を言ってる人だから、そのへんに問題はなさそうだしね。
素人のボランティアを使うにしても、ある程度のマニュアルはきちんとしておかないと、かえってマイナスになるんだな、ということを、しみじみ感じた電話ではあった。