そんな事やってる場合じゃないと思うんだけどなぁ…

 
 馬脚を現わした、というべきか。
 河村たかし市長が旗振り役となって、名古屋市議会で大きな勢力を占めた「減税日本」だが、その市議団の団長氏が、今まで「議員報酬と二重取りになるから」と議員就任以来7年間、受け取りを拒否していた費用弁償を全額(約536万円)受給していたうえ、その受給金を選挙費用などに充てていたことが判った。団長氏は、この件に関しての責任を取り、市議団長を辞任することにしたそうだ。(参照記事はこちら)。
 公約を破ったんだから、市議団長だけではなく、市議会議員そのものを辞任するべきじゃないかと思うんだが、まぁ、それはそれとして──
 
 費用弁償とは、議員が委員会や本会議に出席するたびに支給される日当(1万円)のことで、団長氏が受け取り拒否をしていた間は、名古屋法務局に供託されていたものだと云う。
 その供託金が10年間で没収されるからって、費用弁償制度廃止が決定したのを、
「よいタイミングだと思った」
 と受け取ってくるってのは、どうよ。
 河村市長にしてみれば、上手の手から水が漏れると云うか、なんとも情けない気分になったに違いない。
 この団長氏、このところ解任動議を出されたりして、散々な目に遭っていたのだが、今回のような出来事があると、
「やっぱり、そこまでの人材だったのかなぁ……」
 と思えてきてしまう。
 せっかく、地方から国政を改革しようという考えのもと、自治体の長がトップとなって地方政党を立ち上げているのに、お膝元から、その考えに反するような行動を取るような議員が出ては、トップのほうも、やりきれまい。
 まぁ、なかにはトップのほうが口を滑らせてしまう場合もあるみたいだが……
 
 大阪府橋下知事鳥取県議の人数が多すぎる、などと口を出すのは、鳥取県知事のおっしゃるとおり、「よけいなお世話」である。
 人口が少なければ、議員の人数も少なくて良いとは、とんでもない暴論だ。
 いくら人口が60万人ほどだからって、
「議員なんて、人口10万人につき1人いれば良いんだから、鳥取県議は6人ぐらいで充分」
 とは吹いてくれたもんである。
 そりゃ、鳥取県知事も怒るわな。
 鳥取の県議団も色々と考えて定数を削減し、自治体費用を節約している最中なのに、まったく「よけいなお世話」だ。
 だいたい、たった6人の県議で県政を動かしたりしたら、今度は、
「少数による地方政治の独裁化だ」
 とか言い出しかねないだろう。
 この件は、橋下知事が謝罪してカタがついたようだが、大きな自治体の傲慢さが図らずも露呈した形になったと思う。
 
 東日本大震災のおかげで、日本の何処もかしこも様々な問題を抱えこむことになり、収束の兆しさえ見えないときなのに、国政を動かす人たちは、自分たちの政権争いに血道を上げており、国民のことも、国土のことも、何も考えてはいないように見える。
 そうなっている以上、地方から、しっかりとした政策や人材を提供していってほしいところなのだが、地方自治の急先鋒とも云うべき名古屋と大阪で、こんなバカ騒ぎが起きているようでは、行く末も推して知るべしである。
 もうちょっと、しっかりしてくれないかなぁ……と、減税日本に投票しなかった一市民は思うのであった。