腹が立つなら読まなきゃいいのにさ(苦笑)
先日、文章中に「言葉たち」なんて背筋がぞわぞわ来る、日本語とも思えない日本語が使われているのに遭遇したとき、
「もう二度と、この欄は読むまい。感想を述べるようなこともすまい」
と心に誓った。
だが、長年の習慣とは恐ろしいもので、朝になって新聞が届くと、ついつい読んでしまうのだ。
何って……朝日新聞の「天声人語」欄のことである。
とにかくツッコミどころが多すぎて、それを黙って見過ごせないんだから、まだまだ私も人間ができていないと云えよう。
昨日(2011.5.26.)付の同欄も相当にひどかった。
導入部は悪くなかったのだ。(だから、ついつい読みだしてしまったんだけどね)
ずいぶん前の話だが、アメリカのデスバレーで発見された、3万年前の岩塩に閉じこめられていた微生物を培養したら増殖し始めた、というニュースがあった。
塩辛い環境を好むため、休眠状態で生きていたのだろう──とあり、それが同欄の導入部分になっている。
私も、この微生物のニュースを目にしたときは大きな興味を持って、いろいろ記事を追いかけたので、なんだか引きずられるように、読まないつもりでいた「天声人語」を読みはじめてしまった。
くやしいが、この回のツカミはOKと言わずばなるまい。
話は岩塩のことから、塩の大切さへと移っていく。
古来、保存食には塩が使われており、山海の幸は郷土色豊かな保存食となった、というのだ。
筆者は酒好きだそうで、ホヤの塩辛などの珍味が大好きである由。
珍味を愛すればこそ、三陸の惨状には胸を痛めていると云う。
岩手県が網を入れてみたところ、三陸沖の漁獲高や生息している魚介類の種類は、震災前と変わらなかったそうで……
漁具は流されても、海の幸は尽きない。砂漠の命のように、「どっこい生きてる」と、食卓への道を敷き直してほしい。いつまでも終点で待つ。
と締めくくってあった。
「どっこい生きてる」のはシャツの中だろーがっ!!
──というお約束の爆発をしたあとで、
「どこまで上から目線なんだろう……」
と、つくづくイヤになった。
なにが「いつまでも終点で待つ」だ。
なぜ自分から、その道を歩きだそうとしないのか。
一度、途絶えてしまった食卓への道ならば、食卓の側からも道を作りはじめれば、少しでも道は早く完成するだろうし、道の真ん中あたりで両者が出会えれば、それはどちらにとっても、しあわせなことなんじゃないだろうか。
「自分も歩きだす」とまではいかないまでも、
「こちらからも、その道を作っていきたい」
のような締めにしてくれれば、ちっとは納得がいくものを……
何故ここまで無神経な文章が書けるのか、さっぱり理解できない。
早いところ、筆者が替わってくれれば……と願うばかりである。