巨星、墜つ
ついに……と云うべきか、小松左京御大が亡くなられました。
享年80歳。
すでに長老も元帥もいないSF界が、いよいよ代替わりのときを迎えたのでしょう。
とは云うものの、替われるだけの人材がいるかどうかという点になると、はなはだ心許ない気がします。
もちろん、何人かの光るかたがたはいらっしゃいますが、昔の──華やかなりしSF黎明期ほどに多くの人材がいるかどうかと云うと、ちと首をかしげざるを得ません。
読者の側も、1年すぎるごとにSF者の平均年齢が1つ上がる、と云われているほどですから、お先まっくらとまでは言わないまでも、将来像が少々暗いような気がしてきます。
しかし、小松氏はもちろんのこと、他のかたがたも多くの傑作、翻訳を遺してくださいましたし、現時点で活躍している人だって、いらっしゃらないわけではありません。
御大や、その他の先達が燃やしてきたSFの火が消えることは、けっして無いでしょう。
私も、書くことはできなくとも、読むことでSF界を応援していくことができれば……と思います。
小松先生、どうぞ安らかに。
御冥福をお祈りいたします。