先見の明

 
 葛西臨海水族園で飼育されていた135羽のフンボルトペンギンのうち、1羽が脱走して江戸川を遊泳中というニュースを知った。
 そのニュースを聞いたとき、最初に頭に浮かんだのは、竹本泉先生の手になる、『るぷぷキューブ』というパズルゲームと、その元になった『ルプ★さらだ』というマンガだ。

 るぷぷキューブ ルプ★さらだ ぽ~たぶる ・・・またたび

『るぷぷキューブ』は、ステージごとに物語がある。
 サラダという名の女の子が、世界中を旅してまわる「おじさん」(おとうさんのおにいさん)から、いろいろなお話を聞くわけだが、そのうちのひとつに、暖かい場所に憧れて南極から旅立つペンギンの物語があるのだ。
 竹本先生、このネタがお気に入りのようで、サラダの物語だけではなく、西暦23世紀を舞台にした「その他省」の物語『てきぱきワーキンラブ』にも登場させている。
 また、最近では「よみきりものの…」シリーズのうち、『北国楽園』で、まさに旅に出たペンギンの話を描いている。
 最初の『ルプ☆さらだ』(コミックス)が発売されたのが1992年という事実をもとにすれば、竹本先生は実に20年前から、このニュースを知っていたということになる(違)
 さすが、へんなマンガを描かせたら日本一と云う漫画家さん(←褒めている)は考えることが違うなぁ、と思った。
 だって、まんま「ルプ」の世界の話なんだもん。
 竹本先生の描くペンギンは、南極のペンギン公園の管理人さんに見つけてもらったりして、無事に家に帰ることができたんだけど、葛西のペンギンは帰れるのかな。
 お腹がすいちゃったり、ケガしちゃったりしないうちに、無事に仲間のところへ戻れるように祈る次第である。
 
 ……もっとも、今回にげたヤツの話を聞いて、次々に逃げるペンギンが出てこないことも同様に祈ってしまうのであるが(汗) 
 つか、どうやって逃げたんだろうなぁ、本当に……

よみきりものの… 北国楽園 (ビームコミックス)