そりゃ、聞く気にならないよね

 
 本日(2010.12.9.)付けの朝日新聞天声人語」欄で、またズレたことが書いてあった。
 長くなるので引用は避ける。
 要するに、ルイ・ヴィトンのバッグに、ぬいぐるみをぶら下げた女性を見かけたが、ブランド物にぬいぐるみは相応しくない。
 バランスを欠いた装いは、おかしさに気づくか、笑われるかして改まることが多く、それこそが「大人になる」ということだ、という内容だった。
 まぁ、これは前振りで、ここから例の市川海老蔵氏殴打事件における海老蔵氏の反省へと繋がっていくんだが、やはり、この欄を書いている御方の感覚は、ちとズレていると思う。
 
 最近では、若い娘さんたちに人気の雑誌モデルが、ブランド物にキティちゃんを合わせたりしている写真をよく見るし、実際にコラボしているところもあるようだ。
 つまり、彼女たちにとって、それは大人になりきれていないおかしさではなく、単なるファッションに過ぎないのだと思う。
 そうした情報を集めもせず、自分の若いころの感覚だけをもとに「大人になってない」と説教をしたところで、若い人たちは聞かないだろう。
 いや、聞く価値すらない、と判断するかもしれないし、実際そう判断されても仕方ないのではないか、と私も思う。
「最近の若い者は……」というのは、古代文明の遺跡からも見つかるほどのボヤキらしいが、ボヤく前に多少は歩み寄る姿勢を見せるのも、大人として必要な度量なんじゃないかな、と思う一文だった。