最近は「校正係」って職が無くなったのかねぇ

 
 せんだって、何刷も重ねてるのに、ちっとも誤字脱字が減らないラノベについて書いた。
 そして、相変わらず、懲りもせずに読みつづけているのだが、どうしても納得できない誤字がある。
 この作家殿、「ギョウコウ」という言葉が好きらしく、よく使う。
 もちろん「思いもかけない幸運」という意味においての「ギョウコウ」だ。
 ところが、使ってる漢字が悉く行幸なんだよな。
 それは、天皇陛下が皇居から出て他処へ行かれる際に使う言葉だっつーの!
 あんたの使いたい意味の文字は「僥倖」
 頼むから、それぐらいは解って使ってくれ。
 それから、編集者!
 アニメ化に浮かれて、声優と一緒に生番組に出てるヒマがあるなら、今まで出てる分を通読して誤字脱字(とくに作品世界に関する用語)をチェックして、とっとと修正しろ!
 編集者のサラリーマン化が言われて久しいけれど、自分が手がけた本に対して、ここまで責任を持たない編集者と云うのも珍しいんじゃないのかね。
 
 まぁ……自分の作品の、とんでもない誤字に気づかない作家殿も作家殿だとは思うんだが……
 くやしいけど、話が面白いから読んじゃうんだよな。
 だからこそ、ヌケてる部分は編集に埋めてほしいと感じるのだ。
 これって贅沢な望みなのかねぇ、現代では……
 
 境界線上のホライゾン1〈上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)     境界線上のホライゾン (Horizon on the Middle of Nowhere) 1 (初回限定版) [Blu-ray]
 

久々に…

 
 記事を書こうとしたら訃報になってしまうのも如何なものかと思うのですが。
 歌手の尾崎紀代彦さんが亡くなられたそうです。
 御年69歳。
 
 近年、所在不明と云われたりしてましたが、やはり体調を崩されていたようですね。
 すばらしいテノールの響きと、その声量には、いつ聴いても圧倒されたものです。
 あの声を二度と聴けないと思うと、寂しい気がしてなりません。
 いや、そりゃもちろん、CDだのテレビ局の映像だのが遺ってることは判ってるんですけど、やっぱりリアルタイムの歌声を聴きたいじゃないですか。
 
 今はただ……御冥福をお祈りいたします。
 

もうちぃと何とかならんもんだろうか

 
 最近、妙に分厚いライトノベル(なのか?)にハマってしまい、重いのも構わず、持ち歩いて読んでいる。
 本文が900ページに達しようかという分厚さだから、本来なら、私の思う文庫本の定義──左手ひとつで支えて読める──からは外れているんだが、必要は発明の母と云うべきか(違)、いつの間にか、片手で読めるようになってしまったから始末に悪い。
 何だかんだ言いつつ、読みすすめているんだが、すんごい気になることがある。
 
 誤字と脱字が多すぎる。
 
 ものすごい大部の本であるうえ、著者の刊行ペースは並みじゃないので、本人がゲラ校正をしてる余裕はほとんどないだろう、と思われる。
 ということは、必然的に編集がその仕事をするべきなんだろうが、あまりに大部すぎるのか、ちゃんとチェックしきれていないのだろう。
 ごく単純な誤字、脱字、重字(こんな用語はないと思うが、同じ言葉が二度つづけて入ってしまっていたりする。「同じ言葉言葉が二度つづけて〜」みたいになってるわけだね)ならば、こちらが頭の中で変換すれば良いのだが、緻密な世界構築が売り(と思われる)この作品世界ならではの用語が誤っていたりすると、今まで自分が読んで記憶してきた内容について首を傾げることになったりして、けっこう困ったりする。
 この作者の場合、多くの信者がついてるみたいだし、そうした誤りについて編集部に言ってやったりしないんだろうか。
 昔のSF者は、誤字とか見つけると、鬼の首を取ったかのように編集部に言ってやったもんだけど、最近の読者はすんなり読んでいっちゃうのかもしれないね。
 それでも私などからすると、六刷、七刷と版を重ねていながら、単純な誤りが直ってないこと、しかも、誤りの数があまりにも多いことが信じられない。
 
 まぁ、こういうのって最終的には作者の責任だろうと私は思うんだが、先にも書いたように、この作者は、ちょー忙しそうなので、いっそのこと、本が出たあとで内容をチェックするアシスタントを雇ってほしい気がする。
 作者自身も、こんなくだらない誤字脱字(要はワープロの変換ミスレベル)が山のように存在する自作が、世の中に出ていくのは本意ではないと思うし。
 担当編集からでも提案してあげたら良いのになぁ……
 
 境界線上のホライゾン1〈上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)  境界線上のホライゾン2〈上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)  境界線上のホライゾン3〈上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)  境界線上のホライゾン4〈上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)
 

そして、また一人…

 
 声優・青野武さんが亡くなられたそうです。
 御年75歳。
 ずっと闘病されているという話は聞いていましたが、ついに……という思いです。
 後進の育成や、舞台のお仕事など、まだまだやりたいことはおありだったでしょうに……
 
 私のような年代の人間にとっては、見ていたアニメやプレイしたゲーム、そのほとんどに青野さんが関わっていたと云っても過言ではありません。
宇宙戦艦ヤマト』の真田班長に始まり、『北斗の拳』の海のリハク、『究極超人あ〜る』の成原博士、『ドラゴンボール』でも幾つもの役を演じておられました。
 もちろん、これらはほんの一部に過ぎません。
 教育TVに出演しているのを拝見したこともありましたし、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドク役の吹き替えなども有名かと思います。
 まさに、業界の重鎮というに相応しいかたが亡くなられてしまったわけで……
 今はただ、
 
 ご冥福をお祈りいたします。
 
 ところで……これは蛇足なのですが。
 青野さんが演じておられた役柄の多くを、島田敏さんが代わっておられるんだそうですね。 
 島田さんと云えば、青野さんとは違う声質の人のように思っていたので、ちと意外でした。
 何となくクールっぽいというか……『機甲創世記モスピーダ』のスティック、『北斗の拳』のユダ、『機動戦士Zガンダム』のシロッコ、といったイメージが強かったせいかもしれません。
 ああ、でも、『南国少年パプワくん』の東北ミヤギとか考えたら、共通点(?)もあるのか。
 島田さんは、まだ五十代でいらっしゃるし、いろいろな役柄に期待できるかたなのかな、と今さらながら思っています。
 

先見の明

 
 葛西臨海水族園で飼育されていた135羽のフンボルトペンギンのうち、1羽が脱走して江戸川を遊泳中というニュースを知った。
 そのニュースを聞いたとき、最初に頭に浮かんだのは、竹本泉先生の手になる、『るぷぷキューブ』というパズルゲームと、その元になった『ルプ★さらだ』というマンガだ。

 るぷぷキューブ ルプ★さらだ ぽ~たぶる ・・・またたび

『るぷぷキューブ』は、ステージごとに物語がある。
 サラダという名の女の子が、世界中を旅してまわる「おじさん」(おとうさんのおにいさん)から、いろいろなお話を聞くわけだが、そのうちのひとつに、暖かい場所に憧れて南極から旅立つペンギンの物語があるのだ。
 竹本先生、このネタがお気に入りのようで、サラダの物語だけではなく、西暦23世紀を舞台にした「その他省」の物語『てきぱきワーキンラブ』にも登場させている。
 また、最近では「よみきりものの…」シリーズのうち、『北国楽園』で、まさに旅に出たペンギンの話を描いている。
 最初の『ルプ☆さらだ』(コミックス)が発売されたのが1992年という事実をもとにすれば、竹本先生は実に20年前から、このニュースを知っていたということになる(違)
 さすが、へんなマンガを描かせたら日本一と云う漫画家さん(←褒めている)は考えることが違うなぁ、と思った。
 だって、まんま「ルプ」の世界の話なんだもん。
 竹本先生の描くペンギンは、南極のペンギン公園の管理人さんに見つけてもらったりして、無事に家に帰ることができたんだけど、葛西のペンギンは帰れるのかな。
 お腹がすいちゃったり、ケガしちゃったりしないうちに、無事に仲間のところへ戻れるように祈る次第である。
 
 ……もっとも、今回にげたヤツの話を聞いて、次々に逃げるペンギンが出てこないことも同様に祈ってしまうのであるが(汗) 
 つか、どうやって逃げたんだろうなぁ、本当に……

よみきりものの… 北国楽園 (ビームコミックス)

おめでたいには違いない

 
 おめでたいには違いないんだが、好きな俳優さん、声優さんの結婚報道を一日に2本も耳にすると、さすがにちょっとヘコむ……というか、なんか寂しいというか。
 いや、こんなオバハンになった以上、ファンの対象である存在が結婚しようがどうしようが、騒ぐのはオトナげないと思うんだがね。
 
 一人は、玉山鉄二さん
百獣戦隊ガオレンジャー』にガオシルバーで出演していたとき以来、ファンだったんだよねぇ。
 TVドラマに映画に……と、どんどん活躍の場を拡げ、演技の幅も拡がっていくのを見てるのは、楽しかった。
 玉鉄が登場する番組とかは、できるだけチェックしてたしね。
 いい漢だし、結婚したっておかしかないけど、ちょっと寂しいなぁ……と思う。
 
 もう一人は、小山剛志さん
 若いのにシブい声の持ち主で、けっこう好きな声優さんだ。
 お相手は下川みくに嬢ということで、こっちも知らない人じゃなし、とくに嫌いってアイドル(だよね?)でもないから、「おめでとう」と言いたいのは山々なんだけど、やっぱり……ねぇ。
 寂しい気持ちがあるんだよな。
 
 しかしながら、結婚や、そこから繋がる「父親になる」という出来事が、いま以上に彼らの演技や仕事の世界を拡げてくれるのは間違いない。
 
 ご結婚おめでとうございます。
 末永く、おしあわせに……
 

声に出して読んでみろ

 
 私の場合、文章を書くときは、その文章を口の中で読んでいることが多い。
 口が動いたりしているわけではないのだが、やはり「読みやすさ」を意識しているのだと思う。
 およそ文章を書く以上、その文章が他人の目に触れ、他人が読む機会がある以上、読みやすく書くのは当たり前だと思うので、自然とそうなるのだ。
 お役所の書類などのように、他人に読まれるのは当たり前だけれど、読みやすさに関しては勘案されることがない文章というものも存在するが、そういう手合いは、ちょいと今回の論から外しておく。
 
 さて。
 世の中、他人が読むことが大前提になっているのにも関わらず、平気の平佐で読みづらい文章を書く輩というのがいるから始末に悪い。
 しかも、その輩が大新聞社のコラムを担当してたりして、世の中ではそのコラムを書き移すのを勉強の一端にしてる学校やら人やらが多くあるというんだから、始末に悪いのを通りこして害悪ですらあると思う。
 そう──例によって、本日(2012.1.31.)付けの朝日新聞天声人語欄の話である。
 とにかく冒頭部分を引かせてもらおう。

このあいだ年をまたいだと思ったら、早くも最初の月が尽きる。視界は不良ながら、あたたかい火と灯と人に励まされて春を待つ1月の言葉から

 
 ……どこの早口言葉だ?
「月」と「尽き」、「火と」と「灯と」と「人」あたりは韻を踏んで洒落のめしてるつもりだろうが、とんだ道化である。
 読みづらいばっかりだ。
 声に出して読むのはもちろん、頭のなかで読もうとしても引っかかるぐらいには読みづらい。
 
 そして、センスがない。
 いや、あたしだってセンスがあるわけじゃないよ。
 だけどね、「春を待つ」って一節があるということは、先のことに期待しているってイメージを持って「1月の言葉」を選んだってことだと思うんだ。
 なのに、いきなり「月が尽きる」なんて後ろ向きな表現をしようと思う、その筆の滑りっぷりには呆れるね。
 
 最近あまりの滑りかたに、敢えて「天声人語」からは目を逸らしてたんだが、こういう文章を書いて、天声人語子でござい、という顔をされては、歴代の天声人語子の立場が無かろうて。
 少なくとも私の学生時代には、「天声人語」と云えば、受験に必要な現代文の手本であり、小論文の見本であったのだから。
 自分の書いた文章を声に出して読みかえしてから新聞に掲載するようにしたら、無駄な滑りもなくなるんじゃないかと思うんだけど、そんなこと、考えたこともないんだろうなぁ、きっと……